中村志野・鈴木敬 二人展 2024

Shino Nakamura /Takashi Suzuki Exhibition
2024.12.14 sat - 12.22 sun

石川県にて寺院の仏像制作や修復にたずさわりながら身近な動植物などをモチーフとし、彫刻や暮らしの道具を制作する中村志野さんと、宮城県秋保温泉にて「玩愚庵こけし屋」の4代目として、こけし・挽物製作に取り組む鈴木敬さんの2人展を開催します。

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石川県の山中轆轤技術研修所にて伝統的な轆轤技術を学んだお二人はともに東北のご出身で、中村さんから次のようなご紹介をいただいています。

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私の故郷の蕗と北陸の蕗ではサイズが全く異なります。それにより収穫や調理方法が大きく異なり、味や食感にも差があり、盛り付ける器まで変わります。生活するということはそういうことの積み重ねであり、住んでいる土地がその人の所作や思考にまで大きな影響を与える気がします。

今回展示する2人のルーツは東北にあります。私は日本海側で鈴木は太平洋側、私は平野で鈴木は山間部。一見異なる土地柄ではありますが、同じチームにカテゴライズされて長いこと生活してきました。

おそらく様々な意識を共有する鈴木とは制作するものに共通の感覚を覚えることが少なからずありました。互いに器物制作の基礎は北陸で学びましたが、縁の厚みや高台の形など、選び取ったそこかしこの形には我々の歴史が滲み出ています。

厳しい自然と共存してきた我々の先祖。家業を継ぐことでその意思を引き継いだ鈴木の作品には懐かしさと内に秘めた力強さを感じます。
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中村志野 Shino Nakamura
金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業 東京藝術大学大学院にて仏像の保存修復を学び博士号を取得
その後石川県加賀市山中で挽物轆轤の技術を修める。現在は寺院の仏像制作や修復にたずさわりながら身近な動植物などをモチーフとし彫刻や暮らしの道具を制作。
@shino_n_a


宮城県秋保温泉にて「玩愚庵こけし屋」の4代目として、こけし・挽物製作に取り組む鈴木敬さん。
今回の展示に寄せる思いをご本人の文章にてご紹介します。

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秋保温泉は、四方を森に囲まれながらも、明治以前までは木地屋がいませんでした。
それ以降も、こけしの産地として有名であるため、挽物用材として適した木が今なお多く自生しております。
この展示の準備を通して、あらためて良材に囲まれた土地に生まれたことに気づき、今回の作品には私の暮らす周辺の材を多く用いて制作いたしました。

今までの作品の木地の厚みを見直し、美しさを保ちつつ日常の使用に耐え得るまでの厚みを残しました。
また、次の世代の木地屋たちが、もう一度手直しできる余裕を持たせて仕上げたつもりです。
全ての作品でそれができていると堂々と言えるわけではありませんが、そう想って作るのと作らないとでは作品の持ちが違うような気がします。
この木がより永く使われ続けたら嬉しいです。
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鈴木敬 Takashi Suzuki
1994年 宮城県仙台市生まれ
2017年 石川県挽物轆轤技術研修所 専門コース卒業後、父の元でこけし製作を始める
現在、秋保温泉にて「玩愚庵こけし屋」の4代目として、こけし・挽物製作に取り組む。
@sendai_kokeshi

 

 


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